航空会社の安全性や品質を評価しているサイトであるAirlineRatings.comから、今年最高の航空会社を発表するベスト・エアラインズ 2020が発表されました。項目ごとに発表されていますが、その中でも総合的に最高な航空会社に送られるエアライン・オブ・ザ・イヤーに、ニュージーランド航空が選ばれました!
別記事で紹介している、イギリスの航空格付会社のスカイトラックスから発表される「ワールド・エアライン・アワード2019」ではカタール航空が1位でしたが、今回のAirlineRatingsでは別の指標で評価されていますので、ランキングも少し異なった結果となっています。
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AirlineRatings.comとは?
Airlineratings.comは、航空会社の安全性と品質の評価を紹介しているウェブサイトです。世界中の435を超える航空会社に対して、専門家を含めて乗客からのレビュー等を総合的に判断しています。判断の指標は安全性(Safety Ratings)と製品評価(Product Ratings)の2種類をそれぞれ1~7つ星で評価いしています。また、LCCとフルサービスキャリアでもそれぞれに合わせた評価基準を設けて評価しており、航空会社を評価するための正確性を意識していることが分かります。
続いて、評価の基準について紹介します!
航空会社の評価の基準は?(★1つ)

先ほど、判断の指標は安全性(Safety Ratings)と製品評価(Product Ratings)の2種類と記載しましたが、それぞれどのような観点で見ているのでしょうかを紹介します!今回テーマにしているベスト・エアラインズの発表については、こちらの基準にいくつかの要素を加えて総合的に判断しています。そちらも後程紹介します!
製品評価(Product Ratings)の基準(★1つ)
製品評価の基準としては、どれだけ機内で快適に過ごせるのかに関する評価となります。下記のそれぞれの項目に0-1つの星を付けて、合計最大7つ星で評価しています。
シートピッチ(★1つ)
航空会社全体でエコノミークラスで30インチ以上のシートピッチが確保されている場合は星1つです。一部の機体のみの場合は星0.5個、全体で30インチ未満の場合は星0個です。
フライトエンターテイメントの有無(★1つ)
全てのクラスの座席で、シートごとにオンデマンドビデオが搭載されている場合は星1つです。もしも個別のスクリーンではなかったりスクリーン自体がない場合は星0個になります。一部の機体でのみ備えている場合は星0.5個になります。
ウェブサイトの情報の充実度(★1つ)
包括的な情報が掲載されている場合は星1つ、情報に一貫性がない場合は星0.5個、英語情報がなかったり、不完全な情報しかない場合は星0個となります。
ビジネスクラスベッドの有無(★1つ)
長距離路線におけるビジネスクラスでフラットベッドを備えている場合は星1つ、リクライニングベッドのみか一部の機体のみフラットベッドを備えている場合は星0.5個、ベッド自体を備えていない場合は星0個になります。
機内食の有無(★1つ)
フルで機内食の提供サービスを行っている場合は星1つ、機内食もアルコール提供も有料の場合は星0個となります。また、乗客が機内食かアルコールのどちらか、または国際線でアルコールの提供を行っていない場合は星0.5個になります。
枕とブランケットの有無(★1つ)
枕とブランケットが提供可能、または国内線や短距離路線で有料だとしても用意がある場合は星1つ、中長距離路線で有料提供の場合は星0.5個、提供自体がない場合は星0個になります。
審査員の評価(★1つ)
航空業界に精通していて、経験のある審査員による経験や、知識に応じて最後の星が提供されます。
安全性(Safety Ratings)の基準
安全性についても、最大7つ星で評価されています!それぞれの基準については以下の通りです。
IOSAの認証を受けている航空会社か?(★3つ)
IOSAとは、国際航空運送協会(IATA)が運営する国際的な運航安全監査プログラムのことです。
IOSAは「運航」「運航管理」「整備」「客室」「地上業務」「貨物」「保安」における分野で900以上の項目に基づいて安全監査基準を設定していて、更新は2年ごとに行われます。
確かにこの認証を受けていたら安全であることの証明になりそうですね。
EUのブラックリストに入っている航空会社ではないか?(★1つ)
EU加盟国では、欧州乗り入れ禁止の航空会社を指定しています。基準としては航空会社の所属する国の監督が不十分であることや、EUの規定を満たさない整備をしていること、セキュリティ対策が十分でない等です。
ただし、一度ブラックリストに登録されても、安全が確認された場合は除外される場合もあります。
過去10年間、死亡事故を起こしていないか?(該当の場合★1つ除外)
過去10年間の間に死亡事故を起こしていないかが基準ですが、これはテロ、ハイジャック、パイロット自殺の行為によって死亡が発生した場合は含まれていません。
この辺りも含んでほしいところですね。
航空会社の米連邦航空局(FAA)は承認されているか?(★1つ)
アメリカでは、連邦航空局(FAA)で航空会社が米国空域に飛行することを禁止するリストを作成しています。
禁止の基準は、航空機の運航およびメンテナンスに関する国際航空規格を遵守することができないと考えられる場合に設定されます。
す。
国がICAOの安全性基準を満たしているか?(★0.5~1)
ICAO(国際民間航空機)では、国に対して8つの安全性基準「法律」「組織」「ライセンス」「運航」「耐空性」「事故調査」「航空サービス」「飛行場」を定めています。
この基準を満たしている数が6から8の場合、航空会社に星一つ、該当数5つの場合は0.5個の星が与えられます。
航空機が安全上の懸念から、国の航空安全局に管理されているか?(該当の場合★マイナス1つ)
該当の場合、その時から5年間星が取り除かれる。
旧ソ連で1990年までに設計・製造された航空機のみを運航しているか?(該当の場合★マイナス1つ)
旧ソ連で1990年までに設計・製造された航空機のみを運航しているか?
エアライン・オブ・ザ・イヤー2020

AirlineRatingsの発表するベスト・エアラインズの中で、最も名誉ある賞であるエアライン・オブ・ザ・イヤー2020に、昨年の最優秀賞であるシンガポール航空やANA、カンタス航空Qantasキャセイパシフィック航空を抑えてニュージーランド航空が選ばれました!ニュージーランド航空は、安全性や機内設備、スタッフ等様々な指標を元に評価され、今回で6回目の栄誉となりました!
ベスト・エアラインズ2020の評価基準
今回のベスト・エアラインズ2020の評価については、7人の専門家が審査を行い、安全性や政府の監査、機体の運用年数、収益性、投資評価、スタッフの質や乗客のレビュー等の12の項目から総合的に判断しています。
その他のエアライン・オブ・ザ・イヤーTOP20社
これ以外にトップ20社には他に下記の航空会社がランクインしています。
| ニュージーランド航空 |
|---|
| シンガポール航空 |
| 全日空(ANA) |
| カンタス航空 |
| キャセイパシフィック航空 |
| エミレーツ航空 |
| バージンアトランティック航空 |
| エバー航空 |
| カタール航空 |
| バージンオーストラリア |
| ルフトハンザ |
| フィンエアー |
| 日本航空(JAL) |
| KLMオランダ航空 |
| 大韓航空 |
| ハワイアン航空 |
| ブリティッシュエアウェイズ |
| アラスカ航空 |
| デルタ航空 |
| エティハド航空 |
ベスト・エアラインズ確認賞の過去3年間の受賞一覧
ベスト·エアラインズについては、上で紹介したエアラインオブザイヤーの他にジャンル別で受賞会社を発表しています。そんな各賞の受賞一覧を3年分一気に紹介しちゃいます!!
| 賞の名前 | 2018 | 2019 | 2020 |
|---|---|---|---|
| エアライン·オブ·ザ·イヤー | ニュージーランド航空 | シンガポール航空 | ニュージーランド航空 |
| ベストファーストクラス | シンガポール航空 | シンガポール航空 | シンガポール航空 |
| ベストビジネスクラス | バージンオーストラリア | カタール航空 | カタール航空 |
| ベストプレミアムエコノミー | ニュージーランド航空 | ニュージーランド航空 | ニュージーランド航空 |
| ベストエコノミークラス | 大韓航空 | 大韓航空 | バージンオーストラリア |
| ベストLCC(アジア地域) | スクート | エアアジアX | エアアジアX |
| ベストLCC(ヨーロッパ地域) | ノルウェー・エアシャトル | ウィズエアー | ウィズエアー |
| ベストLCC(アメリカ地域) | ウエストジェット航空 | ウエストジェット航空 | ジェットブルー航空 |
| ベストLCC(中東、アフリカ地域) | エアアラビア | ||
| ベスト地域別航空会社 | エーゲ航空 | カンタス航空 | |
| 最も改善した航空会社 | 天津航空 | フィリピン航空 | セブパシフィック航空 |
| 最も機内のケータリングが素晴らしい会社 | カンタス航空 | カタール航空 | カタール航空 |
| 長距離路線の素晴らしい会社(アメリカ地域) | エアカナダ | デルタ航空 | デルタ航空 |
| 長距離路線の素晴らしい会社(中東、アフリカ地域) | エティハド航空 | エミレーツ航空 | エミレーツ航空 |
| 長距離路線の素晴らしい会社(アジア地域) | エバー航空 | キャセイパシフィック航空 | |
| 長距離路線の素晴らしい会社(太平洋地域) | ニュージーランド航空 | ||
| 長距離路線の素晴らしい会社(アジア太平洋地域) | 大韓航空 | ||
| 長距離路線の素晴らしい会社(ヨーロッパ地域) | バージンアトランティック航空 | ルフトハンザ | ルフトハンザ |
| フライトエンターテイメントが素晴らしい会社 | エミレーツ航空 | エミレーツ航空 | エミレーツ航空 |
| 客室乗務員が素晴らしい会社 | シンガポール航空 | バージンオーストラリア | バージンオーストラリア |
| 国内線が素晴らしい会社 | カンタス航空 | カンタス航空 | カンタス航空 |
| ベストラウンジ | カンタス航空 | カンタス航空 | カンタス航空 |
| ベストウルトラローコストキャリア | ベトジェットエア | ベトジェットエア | ベトジェットエア |
海外旅行に行く際は長時間飛行機の中で過ごすため、今回のランキングを元に旅行の計画を立ててみてください!
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